GXR情報
特別寄稿:旅のサブカメラにも最高の画質を GR LENS A12 28mm F2.5 (第2回)
まずひとつお知らせ。6月のトラックバック企画「輝き」は今夜(土曜日の深夜24時)が締切りです。リコーフォトコンテストに応募した作品でのトラックバックもOKですので、奮ってご参加ください。
さて、先週ご紹介した、社内モニターのTRKさんによるGR LENS A12 28mmレビューの後半をお届けします。
なお、前半部分の英語版が完成したのでこちらに公開しました。ワールドワイドに発信できればと思います。
ではどうぞ!
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前編では、GR LENS A12 28mm F2.5が安心して一眼レフと併用できる点を中心に紹介しました。しかし、旅で出会う様々なシーンによっては立場が逆転、GXRの方が使いやすいという場面もあります。その最たる例として、後編では暗い場所での手持ち撮影をはじめに紹介します。
6. 高感度画質とサイレントシャッターの相乗効果
A12 28mm・50mmユニットともに、手ブレ補正機能は入っていないのですが、手持ち夜景に非常に強い仕様に仕上がっています。カタログでは特に謳ってないので僕の実感として、これには次の特性が寄与していると思います。
・ISO800まで高画質が得られるAPS-Cサイズのセンサーと、きめ細かな感度制御を行うISOオート(HI)モードのアルゴリズム。具体的には、手動でISO感度は一段刻みで設定するしかないところ、オートモードでは1/3段未満の中間の数値を細かく選び、感度を急いで上げ過ぎないよう粘ってくれます。
・概ね1/10秒位まで手持ちでのヒット率が高いシャッターラグの短さとショックの少なさ (個人的には、次の例のように1/6秒くらいでも良像を得られる率が何とか50%を上回ります。)
手持ちスローシャッターの例、28mm
#309 ISO400, F2.5, 1/6 sec.
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AUTO-HIモードで上限を800に設定しておくと、次の例(ISO497で1/32秒)のようにノイズとシャッタースピードの絶妙なバランスを取ってくれます。
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#516, ISO497, F2.5, 1/32 sec. -1.0EV
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ところでA12 28mmと50mmユニットに採用されているレンズシャッターについて、カタログでは詳しく触れられていません。このシャッター方式は、走行距離が短く、しかもシャッター羽の慣性が極めて小さいため、非常に短いレリーズラグで、かつ静音で、きわめて低振動に走行します。このため、高感度に強いAPS-Cセンサーとの組み合わせで、ここで紹介している手持ちの夜景・屋内撮影の強い味方になってくれます。更に、プロ用一眼レフよりも短いレリーズラグにより、ポートレートでAF完了後の一瞬の目の表情の変化や、パンフォーカスでキャンディッドフォトを狙うのにも、とても向いているんですね。晴天の日中に話を限ると、絞り開放時に最高速シャッターを切れないという弱点があります (「1. 周辺までシャープなGRレンズ」の章で開放のサンプルがないのは、このためです) が、逆に日中シンクロでは全速同調できるというメリットもあります。
フォーカルプレーンシャッターをミラーレスカメラに採用すると、先幕と後幕ともに全開状態でライブビューを実現し、シャッターレリーズすると同時に一旦先幕をチャージしてからあらためて先幕・後幕の順に走行させるという複雑な動きをせざるを得ません。この動作をゆっくり行えばシャッターラグが増し、素早く行えば音振が大きくなるジレンマが、悩ましい点だと思います。
夜景だけでない、レンズシャッターが向いている被写体
水槽の中のクラゲ
#551 ISO800, F2.5, 1/6 sec.
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ISO800 (ノイズリダクションOFF)
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#555 ISO542, F2.5, 1/30 sec..
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ISO542のノイズ (ノイズリダクションOFF)
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#559 ISO703, F2.5, 1/30 sec.
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ISO703のノイズ (ノイズリダクションOFF)
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#573 ISO800 F2.5, 1/20 sec.
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ISO800のノイズ (ノイズリダクションOFF)
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ユニークな機能
1. どこでもレンズ交換
GXRシステムとして、今回初めて同じセンサーサイズ同士でユニット交換ができるようになりました。自然とレンズ交換の機会が増えたことで実感するのが、アウトドアで砂塵が舞おうが雨が降ってこようが、気にせず気軽にレンズ交換できることです。砂漠や豪雨といった過酷な状況のことを言ってるのではありません。まさにリゾート地の日常の環境そのもののことなんです。
風の舞うビーチ
#772 ISO200, F8, 1/1000 sec.
波飛沫のはげしい、遊泳禁止のビーチ
#803 ISO200, F9, 1/1000 sec. -0.3EV
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#682, ISO200, F5, 1/200 sec., -0.3EV
意外な強風の吹き荒れる山頂、第1回の口絵の画像です。
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2. AF高速化と、針の穴を通すピンポイントAFエリア
A12 28mmで採用された新しいAF駆動方式によって、ついに恥かしくないAF速度が達成できました。この高速駆動方式は、A12 50mmへもファームアップにより適用されるのが朗報です。
それだけではありません。我々社内モニターも切望していたピンポイントAFの導入により、周辺のコントラストに惑わされることなく、狙った一点にフォーカスを合わせることができるようになったのです。特にマクロモードでは有効なので、ぜひ試してみて下さい。
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#444 ISO400, F3.5, 1/143 sec.
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目にピンポイントAF
従来の横長スポットAFだと、目より少し手前にあってコントラストがはっきりした額の毛に合焦することが頻繁にありました。ピンポイントAFのお陰で周辺の高周波部分に惑わされるケースが激減したのは、高速化と同じくらいの朗報です。
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#724 ISO400, F2.5, 1/40 sec., -0.3EV
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3. カラーバランスを変更する
ホワイトバランスをマルチAUTOに合わせていても、時として寒色っぽく出ることがあります。このような時は、事前・事後にホワイトバランスを変更できるので、ここで紹介します。
(1) 撮影時にWBの設定を変えてみる
#844 ISO800, F2.5, 1/13 sec. -0.3EV
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この場合は、白熱灯2が自然な感じになりました。
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#845 ISO800, F2.5, 1/13 sec. -0.3EV WB=Incandescent2
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(2) 撮影済画像のカラーバランスを変える
#575 ISO200, F2.5, 1/40 sec.
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まとめ
今回は、旅で出会う様々なシーンによってはGXRの方が使いやすいという場面を紹介しました。最たる例は暗い場所での手持ち撮影なのですが、どこでも気兼ねなくレンズ交換ができるという観点も見過ごせません。これは、単焦点レンズ固定式カメラ2台分の機能を、ボディー1台と単焦点交換レンズ2本分のサイズで持ち運べるという見方ができると思います。
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