日本の伝統工芸 ~長板中形~

2008-07-22

こんにちわ、ちっちです。
やっと梅雨明けしましたね!
クーラーで風邪などひいていませんか?(←自分)

花火もそろそろ始まりますね!夏、そして花火と言えば「浴衣」を着たくなる時期です。以前、えみっふぃ~と日本の伝統工芸である『注染め』をご紹介したことがありました。

実は縁あって、『長板中形』の野口染工場さんを見学させていただく機会がありましたので、写真レポート風にまとめてみました。
写真を文字を組み合わせて、ガイドブックなどを作っても楽しそうですね。

『長板中形』(江戸中形、長板本染中形ともいう)は、江戸時代から伝わる日本の伝統染色工芸の一つです。
長板とは、約6メートルの樅(もみ)でできた板を、中形とは小紋や大紋に対する文様の大きさを示しています。
この板の上に木綿の白生地を張り付け、裏表の両面に型を合わせて糊を入れ、藍で染め上げます。藍と白の粋な美しさが特徴です。

■白生地の準備
下ごしらえとして、のり溶液に浸した白生地を陰干しにしています。
 

■地張り
型付け前の板は耳かきと呼ばれる刃物で掃除し、薄く糊をひきます。
糊がかわいたら、水を吸わせた刷毛で長板を湿らせて布を張り、地張木と呼ばれる木で幅を整えながら布を板に定着させます。
yukata35_s.jpg

■型付け
型紙を生地のうえにのせ、糊をへらで塗っていきます。これを一反分行います。
表の型付けを終えたら生地を裏返して、同様に裏面も型付をします。

左下は糊。裏面を塗る際に、この赤色が目安になります。
yukata04E_s.jpg

表裏の柄がずれないように細心の注意を払います。
型の継ぎ目がでないように、また表の柄と裏の柄をぴったり合わせていくのはまさに職人技です。
yukata06_s.jpg

yukata07_s.jpg

 

■豆入れ
大豆の汁に少し藍を入れた豆汁(ごじる)を布に刷り込んでいきます。
この豆汁が、藍がよく染まるのに重要だそうです。これが下染になります。
yukata14_s.jpg

豆汁を引き終わった布は、伸子針でピンと張られ、天日の下で乾かさます。
 
この豆入れから1週間から10日間ほど、布は寝かせておきます。

■藍染
母屋にはいくつもの藍瓶が並んでいます。藍瓶は土間に深く埋めてあります。
 

布を静かに沈め、まんべんなく染まるように瓶の中で布を開きます。
藍瓶には個性があり、気難しいそうです。
子供のように常に気を配って調子を見て、使う藍瓶を決めるのだそうです。
yukata17_s.jpg

藍の原料。阿波特産のスクモ。
 

すぐには藍色にはなりません。空気に触れて藍色になります。
この染めの作業を数回繰り返します。
yukata21_s.jpg
染めが終わると外で酸化させます。

■水洗い
酸化して藍色になった布を、洗っていきます。
小さなホウキを使い、糊を完全に落として乾燥させます。
yukata27_s.jpg

 

最後に、ぴんと張り天日で乾燥させます。
yukata29_s.jpg

■型紙について・・・
伊勢型紙と呼ばれる、貴重な昔の型をたくさん見せていただきました。
全て手彫りでその細かさ、繊細さには驚かされました!!型彫り職人の卓越した技術にすっかり見入ってしまいました。そのうちのいくつかをご紹介します。
kata00E_s.jpg

 

 

 

 

仕上がった藍染のその他の生地も見せていただきました。
yukata33E_s.jpg
六代目の野口汎(ひろし)さんと息子さん。
yukata34_s.jpg
長板中形の職人さんはほとんどいなくなってしまったそうです。
現在、野口染工場さんでは、息子さんと一緒にご家族でやられています。

全ての工程が手作業で、職人さんの経験と勘に頼る仕事です。
一つの生地を仕上げるのに最低でも1週間~10日以上はかかるそうです!


最後に・・・
今回ご協力いただいた、竺仙さん、野口染工場さん、本当にありがとうございました!

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