社員奮闘記
【特別寄稿】 GRでオーロラを撮る
こんにちは、ヒロです。
オーロラを実際に見に行ってみたいって思ったことはありませんか?TVの旅番組で取り上げられる度に、「あのオーロラを写真に収めてみたいなぁ、でもGRで撮れるのかな?そこまで行くだけでも大変だなぁ」なんて思っていましたら、
なんと!社内にGRでオーロラを撮影してきた方を発見しまして、GR Blogのために記事を書いてもらいましたのでご紹介します。
では吉川さん、よろしくお願いします!
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はじめまして、リコー技術研究所フォトニクス研究センターの吉川と申します。普段はRICOH THETA(https://theta360.com/ja/)というカメラの開発に携わっています。THETAの開発メンバの中にはGRの開発に関わった方も多く、その中で仕事をしています。私自身はというと入社2年目の新米社員でして、まだまだ修行中の身です。学生時代、RICOHを知るきっかけとなった製品がGRであり、このようにしてGR BLOGを書く機会を与えて頂いて、とても感激しています。
さて、GR BLOGを書くこととなった経緯ですが...、
先日アラスカに行く機会があり、THETAやGRを持って行って風景やオーロラの撮影を試してみました。開発チーム内で写真を共有したところ、オーロラの写真がGR BLOGライターさんの目に留まり、記事の執筆のオファーを受けました。
(以下撮影は全てRICOH GR)
マニュアル露出 F2.8 15s ISO1600 WB: マニュアル
アラスカに行く前に、星景写真でお馴染みの山本さん(https://www.grblog.jp/2013/06/New-GR-Star-interval.php)から色々と教えていただいたので、今回は事前に教えていただいたコツや撮影していて気がついたことなどをご紹介したいと思います。
■カメラの基本設定
〔フォーカス〕
オートフォーカスではなく、マニュアルフォーカスモードで明るい星にピントを合わせます。ピント合わせの時は、高感度(ISO6400くらいに設定しました)にして、パッと撮ってパッと確認するようにすると捗ります。撮影→拡大して星にピントが合っているか確認→ピントがずれていれば微修正→撮影・・・ の繰り返しでしたが、これがなかなか難しく時間がかかりました。天体写真を撮りに行くと決めたら、まずはピント合わせの練習した方が良さそうです。
〔露出設定〕
撮影は、MモードでISO感度・絞り・シャッター速度を指定してやって行いました。だいたいISOは1600~3200、絞りは開放(=F2.8)にして、オーロラの明るさに合わせてシャッター速度を変えました。オーロラは状態によって明るさが異なり、発生し始めた時は露光に30秒ほど必要で、最も明るい時なら2秒ほどでした。
また、ヒストグラムで適正露出を確認するのがベターです。撮影時は真っ暗闇の中行うので、暗めの写真だとしてもディスプレイで見ると明るく感じてしまうためです。実際、私も撮った時はちょうどよい明るさだと思っていたものの、後でPCで見てみたら真っ暗...なんて写真が何枚もありました。
運が良ければ、オーロラ爆発という現象が起こり、非常に明るく、動きの変化に富んだオーロラが見られます。下の写真は、オーロラ爆発が起こった直後に見られたものです。風になびくカーテンのような動きで、とても綺麗でした。
マニュアル露出 F2.8 2s ISO1600 WB: マニュアル
天頂を見てみると、渦を巻いているようなオーロラも。
マニュアル露出 F2.8 2s ISO3200 WB: マニュアル
〔自動連続撮影〕
フレーミングを決めたら、あとはインターバル撮影機能で自動でシャッターが下りるようにしておくと楽でした。セルフタイマー機能で、シャッターボタンを押してから2秒後に開始するように設定しておけば、ブレも防げます。インターバル撮影ではなく、決め打ちで一枚撮るときにもこの機能は重宝しました。
インターバル撮影機能で撮った写真を動画にしてみたら、こんな感じになりました。最初は北の方にうっすらとオーロラ出ていたのが、次第に天頂方向へと移っていく様子がわかると思います。
■寒さ対策
あとは、何よりも寒さ対策です。
私が行ったときは気温が高めだったそうでしたが、それでも-15度くらいでした。雪はそれほど積もっていなかったですが、辺りの物は霜で真っ白になっていました。
下の写真は車窓の様子。車も霜で真っ白。しかしよく見ると、霜って綺麗な形をしているんですね。
プログラムAE F3.5 1/80s ISO800 WB:マニュアル
自分自身の格好はもちろん、カメラも寒さ対策をする必要がありました。気温が低いとバッテリーの減りが早いため、予備のバッテリーを持って行くことをおすすめします。室内にカメラを持ち帰るときは、カメラをジッパー付きポリ袋に入れ、室温になるまで放置してから取り出すと、カメラ内の結露を防げます。
今回の旅では、オーロラを肉眼で見られただけでなく、天体を写真に収めるときの大変さが分かり、とてもよい経験になりました。レリーズボタンやバッテリー、寒さ対策グッズなど道具を揃えたり、撮影の練習をしたりしておくと本番はスムーズにできそうです。また、カメラの操作しやすさや機能など、開発のときにユーザー視点に立って考えることの重要さを実感できました。今回の経験を活かして、皆さんに親しみを持って使っていただけるようなカメラ作りをこれからも頑張りたいと思います!
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