社員奮闘記
【特別寄稿】 手作りカメラケースのすすめ
こんにちは、ヒロです。
皆さん、カメラのケースはどんな物を使っていますか?カメラ好き、写真好きの方はとても拘るアイテムかと思いますが、今回は社内のカメラマニア・ヘビーユーザーの一人として、GR BLOG関係者の中でも有名な飯塚さんに手作りカメラケースの記事を書いてもらいましたのでご紹介します。(飯塚さんはケース以外にも何でも工作しちゃうマニアックな人でして、いずれ別のアイテムについも紹介してもらおうと思っています)
では飯塚さん、よろしくお願いします!
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はじめまして、リコー新規事業開発センターの飯塚と申します。つい先々月までは、デジタルカメラのレンズ鏡筒を設計する仕事をしていました。といっても当時も他の機種の担当だったためGRの開発には参加できず、"社内ヘビーユーザー"として色々と口を出すだけの立場でした(笑)。そんな僕が今回登場したのは、趣味で個人的に作っているオリジナル革ケースをGR BLOGメンバーに紹介したところ、作り方を教えて!という話になったためです。
さてGR用のケースであれば、リコーの純正品をはじめ既に多くの製品があります。もちろん各社こだわりの込められた使いやすい製品が多いのですが、どうしても自分の好きな素材・色・カタチのもの、体の大きさにピッタリ合ったものが欲しい時もあるかと思います。そんな時には、「自分で作る」というのも選択肢の一つです。(D.I.Y.、パーソナル・ファブリケーションも最近ブームですからね!)
ここでは、製作の雰囲気が分かる様に各工程を簡単に紹介しながら、カメラ用具として特に気をつけている製作上のTipsなどにも触れていきます。
下の写真が今回の材料と、必要な工具の一覧。東急ハンズ様などのホームセンターや、通信販売などで入手できます。材料費は3mm厚の牛オイルレザーと金具、内張用のハギレを合わせて3千円ほど、工具代が4、5千円くらいです。革細工を始めるにあたり、揃えるべき道具の多さを想像して抵抗を感じる方もいますが、思ったより手軽なのではないでしょうか?
(ちなみにミニマムはこれだけですが、実際には能率アップのために他の工具を使うこともあります。例えばポンチ打ちの際、卓上ボール盤にポンチを差してハンドルでプレスすると、とっても楽チン&静かでおススメです^^。)
まずはカメラをノギス等で採寸し、ケースのカタチと寸法を決めて型紙を起こしていきます。実は「中の人」特権で正確な寸法の入った図面を参照する事もできたのですが、"クラフトマンシップ"に則り正々堂々と(笑)誰でも出来る方法で作っていきます。(といっても、革細工でミリ単位未満の正確な採寸はそもそも無意味ですが。)型紙はもちろん手書きでも構いませんが、私はDraftSight(http://www.3ds.com/ja/products-services/draftsight/)というフリーソフトの2DCADを使っています。この段階で、開閉の方法、各部の寸法、ステッチラインや角の仕上げなどのディテールを検討して決めていきます。
型紙の線を鉄筆で革素材に写し、裁断していきます。今回はパーツの分割と型紙の配置を工夫して、30×30cmの切売り材に収まる様にしました。
部材同士を縫い合わせる前に、フタ部分を留めるホック等の金具をカシメて、内張用の布をゴムのりで接着します。ここでTips 1つ目、ケースの内側には、金具が露出しない様に注意しましょう。金具がむき出しになっていると、初めは大丈夫でも毎日持ち歩くうちにカメラに少しずつ擦れ痕がついてしまいます。金具をつける工程を内張りの前にすることで、金具の露出を防ぎます。
ステッチ位置に目打ちポンチで縫い穴をあけ、糸で縫っていきます。革用ミシンという高価な物もありますが、僕は持っていないので手縫いです!時間がかかる工程なので、映画を見たりしながら地道に縫っていきます。(腕が未熟なせいもあり、この縫いだけで3時間くらい掛かりました・・・。)さてTips 2つ目。重さが掛かるところは、十分な強度のある作りにしましょう。吊り下げ部分などの強度は、大切なカメラを万が一の落下から守る重要ポイントです。金具が開く方向に力が掛からない用にする、飾りステッチを入れて補強する、など設計段階から工夫していきます。
縫い上がったら、オイルの塗布や端面の仕上げなどを行って完成です!
完成品の写真とともに、最後のTips。誰が、どんなときに、どんな風に使うのか考えたカタチにしましょう。写真だけだと伝わりづらいかも知れませんが、今回のケースは僕の好みに合わせて市販のものよりかなり低い位置にカメラがくる様になっています。この高さだとジャケットを羽織っても裾がケースに被らずスマートですし、何より立ったとき自然に手の位置にカメラがくるのです。このピッタリ感は、体に合わせて寸法を微調整したものでないと中々実現できません。またベルトから2点で吊る様にしたので、自転車に乗る時なども前後にブラブラしにくく安心です。僕は普段の通勤中も旅行の時も、ずっとこのケースを腰に吊ってGRを持ち歩いています。
いかがでしたでしょうか?興味を持たれた方は、ぜひ本などで革細工の制作方法を学び、自作に挑戦してみて下さい。はじめは試行錯誤の連続で大変だと思いますが(僕も何個もプロトタイプを作りました)、きっと自分の/大切な誰かの、お気に入りになる一品が出来るはずです。
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