GR徹底紹介
【"8years" GRD(1stProto)>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>GR Limited Edition】
こんにちは。きょーちゃんです。
10月22日プレスリリースされました GR Limited Editionもうすぐ発売です。
カメラ本体の外観やオプション、ケースまでこだわりのある装いなのですが、
僕にとって、このリミテッドエディションはとても特別な思いがあるんです。
GRデジタルの歴史と歩んできた特別なGRの嘘のような本当のコト、お話します。
最初にこの画像を。
話は8年前までさかのぼります。
幻の試作品から...8年越しのLimited Edition
8年前の2005年秋、初代GRDが発売されました。そしてその3ヶ月後にGRフォト&キャッチコピーコンテストが行われました。
発売開始まで期間限定で始まっていたGRBLOGの継続が決まったうれしい時期でもありました。
このとき副賞として特別なGRが贈られたのですね。
赤いGRD
GRという伝統をデジタルカメラの新しいカテゴリーとして、再び受け入れてくれたファンの方々にお礼がしたい。
そんな意味もこめられていました。
副賞として特別なGRを贈ることが決まり、いくつかのスタディモデルが検討されました。
当時案として上がったものはピアノブラックモデルや、マグネシウム地モデル、黒以外のキーカラーになる赤いモデルなどでした。
でも実際には、下地処理や素材自体の酸化の問題など、製品作りの上では課題がもあり、案段階で泣く泣く候補から外れたモデルも結構あったんですね。
そんなスタディモデルのひとつ。ライカの特別塗装モデルなどを参考にしていたとき、特に野口さん(社員Nこと)と二人の間で、話題になったのがハンマートーン加工でした。
ガラスのような艶を持ちながら、ひび割れのようなな濃淡のテクスチャーを持つ塗装。
新宿のレンジファインダ機をたくさん揃える店で見つけたそのカメラは一目惚れしたカメラの塗装でした。
・・・・しばらくして、
王子さんのエントリーで鮮やかな赤い特別なGRが、お披露目になりました。
華やかな赤はコンテストの副賞にふさわしい特別色でした。
でも、野口さんはカメラの特別塗装を手がけている大森ルミエールさんに頼んでとびきり渋いモデルの試作をしていたんです。
それがこの幻の"GR digital(1st)リミテッド"
当時はコストや生産面で皆さんのお手元にお届けすることができなかったのですね。
僕は8年前にこの試作機を見せてもらった時、ぜひ皆さんに紹介したいと思ってこの幻のモデルを撮影していました。
紹介の記事も作りかけていたのですが、
なぜか公開されないまま忘れてしまっていました。
そして、8年間。
今回Limited Editionが出るのでGRBLOGで紹介してほしい。とだけ告げらていました。
新しいモデルの発売がされるときにはテストなどで事前に手にすることが多かったのですが、今回は前触れもなく、僕の手元に届けられました。
そして梱包を解いたとき、8年前を思い出したのです。
GR Limited Editionの表面塗装
Limited Editionの深い緑の色合いは当時の試作機のイメージそのままで、表面処理はハンマートーンからウェーブトーンというあらたな塗装処理で表現されています。
表面のつややかさと塗装面のさざなみのようなテクスチャーは、ハンマートーンの荒々しさと対照的な穏やかさがあります。
遠目では似た印象なのですが、'荒れている海'と'凪いだ海'のようなイメージでしょうか。
ウェーブトーンという塗装
実はこのウェーブトーンは手の込んだ塗装方法で実現しているのですね。
一旦最初の層を塗装してから、乾かないうちに二回目の塗装をわざと粒子と密度を粗くして吹き付ける。
二層目の凹凸がなじんでくる途中で塗面が固まり、つややかで穏やかなテクスチャーに変わります。
ちなみにハンマートーンは、塗装後に強力な熱で焼き付け処理を行う際、塗料の成分と表面が変化して出来上がるそうです。塗装って奥が深いですね。
いずれにしても非常にデリケートで、ひとつとして同じものが出来上がらない手のかかったモデル。
もし手に入れられる方は、お届けするカメラは唯一無二の限定品(Limited)ともいえるかも。
塗装面に合わせた、各パーツ色変更のこだわり
表面塗装にあわせ、各ボタン、リング、モードダイアル、アクセサリシューに至るまで塗装変更が行われました。
互いの色を際立たせ、あるいは馴染ませるために、何回もの試作が行われ、確定直前になって変更されるパーツもあったそうです。
ダイアカットが施されたネームリングがよみがえります。
キャップリングはアルマイト処理の艶加減にもこだわり、程よい艶のバランスで
落ち着いた金属の質感となるよう調整しています。
パーツのカラーはカメラ全体を引き締める、明るさを抑えたシルバー色に。
グリップ塗装
本体塗装の質感に対して主張しすぎず、本体色を引き立てるブラックの木目調を選択しました。
単純な光沢仕上げではなく、マットと光沢の配合を細かく調整することで狙いの質感を作り込んでいるのですね。
フード&アダプターの処理にもこだわり(縮み塗装)
これはクラシックカメラでたまに目にする塗装処理ですね。
黒い塗装面に微細な皺が高密度で施されているのですが、
塗装後に高温で乾燥させ、その熱で塗料が縮むことで独特な模様と質感が生まれるそうです。
日本の織物(縮緬)ちりめんににた風合いがありますね。
早速、カスタマイズして、グリップを変更。Limitedのアダプタへ社外品の28㎜用縮緬加工フードを付けてみました。
特別なケースとストラップ
今回の特装は革製品にまで及びました。
ボディの塗装色とあわせて、温かみを抑えたクールな淡い茶色。
手に入れた瞬間もそのままで。
そして使い続けてエイジングがされた時までも愉しめる色あいです。
いかがでしたでしょうか?
非常に手の込んだ塗装と色味は光の当たり方で変化し、僕の撮影で全部を表現するのはとても困難。
少しでもお手元に届いたときのイメージが伝われば幸いです。
今回このエントリーをお届けするにあたって、
デザインを担当された石田さんから詳しいお話を伺っています。
実は量産機の仕様はぎりぎりまで固めず、Limitedを送り出すチームは狙いのイメージになるまで、徹底的に仕上げを追い込んだそうです。
特にこの深く穏やかな本体の塗装のため、試行錯誤が繰り返されました。
実際に塗料メーカーさんへ設計区のメンバーとともに何度も足を運び、
テクスチャーに影響する塗装時の細かな調整を行いながら狙いの質感を作り込んでくれました。
当初は量産性についてもかなり課題が多く、一時はこの塗装の採用を諦めようという話まで出たとのこと。
それでも社内だけでなく塗料メーカーさんも一緒に解決方法を模索し、このような形で皆さんにお届けすることができました。
深い光沢の宝石のような素材感をもつGR。
8年前、幻となったプロトタイプに僕が対面したとき、
そのときと同じ気持ちを皆さんにも味わっていただけるのが本当に楽しみです。
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