GRist
=GRist= 渡部さとるさんです!
こんにちわ、ちっちです(*゚∀)ノ.。・:*:・゚`☆
今回のGRistは、「GR SNAPS」にも写真を提供いただいている、渡部さとるさんです! |
取材は、渡部さんがGR DIGITAL Ⅱで撮られたパリの写真を見せていただきながらスタートしました。
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■セッティングについて ち:渡部さんは既にGR DIGITALⅡもお使いいただいていますが、セッティングはどのようにしていますか? 渡:GR DIGITALⅡになってセッティングがしやすくなりました。MYセッティングは使い勝手がいいです! モノクロは作品用、カラーは記録用と使い分けています。 ◆MY1(モノクロ用)・・・ JPEG最高画素、SNAPモード、中央重点測光、WB太陽光、モノクロ、ISO400、プログラムAE、ストロボOFF、LCD OFF、21mm(ワイコン常用)、光学ファインダー ◆MY2(カラー用)・・・ カラー、LCD ON、マルチAF、評価測光、その他はMY1と同じの設定にしてます。 ち:感度はISO400で固定しているんですね? 渡:これまでの経験から、固定にしておくと表示を見なくても絞りやシャッタースピードがわかるんです。例えば、「ISO400でこの位の暗さなら、シャッタースピード1/8秒、絞り2.4」とかね。 モノクロはほとんどISO400です。カラーでもGRDⅡになってからは、問題なくISO400が使えるようになりましたね。これなら薄暗いところでも撮れるし、手ぶれ補正はさほど必要を感じないです。 開放が2.4で明るく、ズームがない。これにつきます。 ち:ワイコンはいつも付けているんですか? 渡:そう。もう、近頃は付けっぱなし。21mmという焦点距離が好きなんです。仕事でも21mmと35mmをよく使います。ズームは好きじゃないんです。何でもできると迷ってしまうから。21mmなら21mmの視野に頭が切り替わって、それ以外のものを見なくなりますね。 ち:そんな渡部さんにとって40mmというのはどんな意味がありますか?というのも、GRⅡでは40mmになるテレコンが発売予定なので・・・ 渡:写真家高梨豊さんの唱える「焦点距離年齢説」というのを知ってますか? 20歳なら20ミリ、35歳なら35ミリというように、年齢とともに常用焦点距離が変わってくるという話しです。人は歳をとると、情報処理能力が落ちるから画角が狭くなるんでしょうね。僕も40代ですから、そろそろ40mmに魅力を感じはじめている、といったところかな。だからとても興味があるし、是非使ってみたいですね。 ち:へぇ~(笑) ち:撮影後に、レタッチはされるほうですか? 渡:明るさとコントラストくらいですね。レタッチらしいレタッチはほとんどやりませんね。モノクロでは、場合によってはノイズを5パーセントほどかけることがあります。ノイズをかけると見掛け上シャープになるんですよ。 今年の秋に、ワイドコンバーターと外付けファイダーを付けたGRDⅡを首からぶら提げてパリ(フランス)を歩いていたら「それはなんだ?」って、ほんとに多くの人に声をかけられた。中には「ライカの新型か?」って(笑)よくライカはコミュニケーションツールになるって言いますけどそれ以上でしたね。(渡部) ち:さてさて、話は変わりますが・・・ 「GR SNAPS」で、渡部さんは自分撮りをされてますが、GRDを普段どのように使っていますか? 渡:GRDは旅行に行くときはいつも持っていくし、普段もバッグに入れて持ち歩いています。自分撮りはよくします。GRDって片手で持ってシャッターを切れるから自分を撮るのにぴったりでしょう。 写真家はセルフポートレイトを撮る人が多いですよ。そうすることで、自分の置かれた状況を客観視することができるんですよ。たとえば何か大変なことがあったら、すかさずそこで自分を撮ってみるとかね。すると状況によっては笑えることもあったり・・・ ち:客観視ですか、なるほど~。なかなか自分のことって恥ずかしくて撮らないんですけど、今度試してみようかな。たまに、写真で見ると、見えたくないところまで見えちゃったりしてドッキリしますが(笑) |
■ポートレイトをうまく撮るコツを教えてください! ち:ポートレイトと言うと、渡部さんはお仕事でもたくさんのポートレイトを撮られていますよね! コツを教えてもらえますか? 渡:僕は相手が笑ってる写真を撮りたいと思ったら、百発百中撮れるんです! ち:そ、そうなんですか!? ち:確かに!私でも、撮られるときにがちがちに構えられると緊張してしまいますね・・・それがファインダーも覗かず相手が笑っていたら、普段と変わらない表情のままかもしれません! 渡:ポートレイトが面白いのは、写されている人を通して、それを写した人のことがわかることなんです。 |
■スナップ写真について ち:GRDを使う人はスナップ写真を撮ることが多いんじゃないかと思っているんですが、渡部さんはいつも撮影モードはスナップモードなんですね。 スナップ写真のコツも教えてもらえますか!!? 渡:「スナップ写真がうまい人というのは予測のうまい人」と言えます。 シャッターチャンスの前の段階で「ここのシーンが数秒後にこうなるであろう」という予測をたてた上で、カメラを構えていなければいけない。 ここだ!と思ったときカメラを向けたのでは遅いんです。いかに予測するかだと思います。 (3枚の写真をみながら・・・)あそこにいる自転車がちょうどこの橋の真ん中を通る瞬間。歩いている人と背景のバランスが取れる一瞬。人物とその影がちょうどいい位置におさまった瞬間。 ち:(渡部さんの写真をみながら・・・)う~ん、凄い。予測しなければ撮れない写真ばかりですね。勉強になります! |
■WORKSHOP 2Bについて ち:そう!渡部さんのワークショップについてとても興味があるのですが・・・どんなことをされているんですか?銀塩カメラで行っているとうかがったのですが。。。。 渡:ワークショップでは、露出計がなくてもカメラを使えることを第一の目的にしています。 実際には、絞りとシャッタースピードが変更できるフィルムカメラを使って、モノクロの撮影と暗室でのプリント作業を繰り返し経験してもらい、「光の扱い方や捕らえ方」を伝えていきます。 モノクロは色情報がないので、光に意識を集中することができるんです。「物体を見ないで、光を見ること」の話をしていきます。 たとえば、フレアとかゴーストというのは、マンガでもわざわざ描き入れたりするように、光を表現する一つの手法になります。だから、意図的に入れたりね。欧州の浅い角度の光を表現させるときなどに効果的です。そんなところも光の面白さなんですね。 そう、21mmを常用していると言いましたが、ワイドレンズは光を捉えやすいというメリットがある点も好きですね。 ち:プリント作業もやるんですね~ 渡:ええ、モノクロプリントは楽しいですよ。それから写真の歴史や手元に所有しているたくさんの写真集や作家のオリジナルプリントも見てもらっています。写真を撮ること、写真を見ること、写真を見せることの楽しさも経験してもらいたいんです。 講座を終了したあと、希望者はグループ展を行っています。写真展経験すると、見ることの楽しさもよくわかるようになるんですよ! ち:確かに、GR BLOGを始めて写真を載せるようになってから、他の人の写真を見ることがとても楽しくなりました。とてもいい刺激なりますし。 |
■デジタルについて ち:ワークショップはフィルムカメラで行われているということですが、デジタルに対してはどういう感想をもたれていますか? 渡:写りすぎかも・・・(笑) 昔は、撮る側がよく写る様に努力しなければいけなかったんです。デジカメになってからはなんでも良く写ってしまうようになって、何が良くて何が悪いかの選択が難しくなってしまいました。 自分でその良し悪しを判断していく必要がありますよね。 |
■撮影のスタイル ち:自分が撮影していていつも迷うことがあるんですが・・・・ 例えば、撮影に出かけると、カラーで撮るか白黒で撮るか迷って両方撮ったり、撮影の場所ごとに設定を考えて変えてみたり・・・・帰って写真を見てみると何のまとまりもない写真をたくさん撮ってしまったな、ということが多々あります。 テーマを頭に入れていることもありますが、複数並べてみるとうまく表現できなかったり・・。 渡部さんの撮影スタイルを教えてもらえませんか? 渡:出かけるときに設定を決めたら、途中で変えることはほとんどありません。 その設定のまま撮影しています。 モノクロで撮ろうと思ったら、頭はモノクロのスイッチになっているから色は入ってこない。21mmだったら、21mmの目になっています。 そして、一箇所で撮る写真はほとんど1枚きりですね。あんまり悩んだりはしません。 ち:今まで、モノクロのスイッチ、モノクロの目というのは意識したことがありませんでした!逆に同じ場所でも、こっちはモノクロの方が映えるかなという決め方をしていました。渡部さんのWEB GALLERYも拝見させていただきましたが、 写真のテーマはいつも撮る前に決めているんですか? 渡:いえいえ。はじめからコンセプトを持っていることはないですね。 プリントを何度も何度も繰り返して決まっていくんです。同じ場所に何回も行ってみて、撮ってプリントして、段々と絞り込んでいくんですよ。 ち:本当に手作業なんですね。 渡:一枚の写真で完結させようとは思っていません。1枚の「Picture」よりも複数枚の「Photograph」。トータルで何を伝えるかに重きを置いています。 ち:う~ん、勉強になります! |
■GRDについて一言お願いします! ち:著書「旅するカメラ3」の中でも「パーティカメラ」として取り上げていただいていますが、最後にGRDへ一言お願いします! 渡:口コミのカメラですよね。キャンペーンとか一切していないのに、自分の周りにGRD所有者の多いこと!(笑) 後継機が発売される直前にもかかわらず、前の機種を購入した人が僕の周りにたくさんいたのですが、みんな後悔していないんですよ。後継機が出るのを知っているのに、それを待たずに買っている。 新製品だからとか、新機能が付いたからではない基準で買われる、希少なカメラだと思います。 GRDはコンセプトがしっかりしているので、ずっと作り続けて欲しいです! しいて言えば、特別バージョンがあってもいいかな(笑) |
■お気に入りの1ショット! |
ち:ありがとうございます。最後にGRDで撮ったお気に入りの一枚を見せてください! |
渡:場所は新宿駅東口。カメラ量販店が並ぶ一角がネオンに照らされて、撮影にはもってこいのライティングになっていました。 おもむろにワイコン付きのGRDを取り出して自分撮り。撮影後背面モニターで確認すると、不思議そうな顔をした通行人が写り込んでいました。偶然のシャッターチャンスですが、数ある自分撮りの中で一番好きな1枚です(笑) この写真は「GR SNAPS」の中でも使っています。 ち:今日はとても貴重な時間を過ごすことができました。 たくさんお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました! |
■取材を終えて きっとワークショップもこんな感じなのかな~と、私も参加したくなってしまいました。。。。 GRistでのインタビューを見ていると、本当にいろんな撮影スタイルがあるのだな~と思います。 さて、次回のGRistも是非ご期待下さい! |
渡部さとる:Satoru Watanabe 1961年山形県米沢市生まれ。 日本大学芸術学部写真学科卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。 スポーツ、報道写真を経験。 同社退職後、スタジオモノクロームを設立。 フリーランスとして、ポートレートを中心に活動。 2003年より写真のワークショップを始める。 www.satorw.com |
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