GR徹底紹介
GR DIGITAL画像処理(その2)
こんにちは。ヒロです。
前回のGR DIGITAL画像処理 続編です。
今日はGR DIGITALから新たに採用した補間フィルターから話をしたいと思います。
デジタルカメラで用いられるCCDの受光センサは光の明暗に対応した電気信号しか出力できません。
つまりCCD自体には被写体の色を識別する能力は無いのです。ではカメラとしてどうやって色を識別するかというと、RGBの3原色のカラーフィルタを 受光センサ上部に載せ、各フィルタを透して得られた電気信号の大小を後段で画像処理することによって始めて色として認識しているわけです。
デジタルカメラで一般的に使われるCCDではこのRGBカラーフィルタをベイヤー配列とよばれる市松模様状に敷き詰めるのですが1画素につき1つのカラーフィルタしか載っていません。つまり、CCDから出力される電気信号の段階では、1画素単位ではRGB の内の1色分の明暗情報しか持っていないのです。
そこで画像処理部において各画素の周囲にある他の画素の色情報を参照・推定することにより、残り2色の色情報を得る補間処理が行われています。この処理により画素ごとにRGBすべての情報を得ることができているわけです。
GR DIGITALは従来機種からこの補間処理方法を変更することにより、解像感の向上とノイズの低減を実現しているのだそうです。
簡単にいうと被写体を局所的な凹凸がノイズによるものか、被写体情報そのものによるかを判断して補間処理しています。
例えばこの凹凸はノイズであると判断した場合はノイズ除去を優先するように補間処理をおこない、この凹凸は被写体のエッジであると判断した場合は解像感を優先するように補間処理するわけです。
この処理のおかげで、ビルや橋などの人工物の斜め線や縦・横の輪郭がガタの少ないきれいな直線に見えるようになっていると思います。
本当に画素にぴったり重なる線は実際には皆無ですから、斜めは斜めに、直線に近い部分は直線に描画できるこの新しい補間フィルターの効果は大きいと開発メンバーは話しておりました。
次に階調表現です。この階調表現も画像処理によって変わってきます。明暗差のあるハイコントラストな画像に仕立てると立体感が出せて、又暗部のノイズも少なく見せることができますが、やりすぎると被写体によっては暗部のつぶれとハイライト部の白飛びが発生してしまい、階調性の乏しい、ダイナミックレンジが狭く感じられる画像になりがちです。
GX8の画像処理からはノイズが多少残ったとしても暗い部分をつぶさずにできるだけ階調を残し自然な表現をするように設定してきていますが、プロのカメラマンからも評価していただけていることからGR DIGITALでも同じ考え方を踏襲しているのだそうです。
画像処理って色々難しいことをやっているんですね。