社員奮闘記

「桜と星の光跡」インターバル合成撮影方法

2015-04-14

こんにちは、みにゅう です!
先週は満開の桜の下に人々が集っているのがあちこちで見られました。
気持ち良い季節の到来ですね。

花が咲き出すと一気にカメラのシャッターを押す頻度も増えますが、どうも毎年代わり映えのない写真ばっかり撮っているなぁという気もしなくもありません。
そんな時、花と一緒に星空も写し込めたら一味も二味も違ったものになりますよ!

これまで何度も登場いただいている「星景写真」の山本さんから、今回はインターバル合成を使った「桜と星空」の作例と撮影方法を紹介していただきます。
では山本さん、どうぞ!

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 インターバル合成に関する記事でたびたび登場している山本です。
 私の生活圏では、桜の花びらが殆ど散り葉桜になりつつあります。東北の皆様は今が見頃を迎え、北海道の皆様がこれから咲き始めるといった所でしょうか。少々旬を逃した感もあるのですが (^^;) 桜と星の光跡を絡めた作例をご覧いただきたいと思います。


RICOH GR, ISO400, F2.8, 4秒×507枚をカメラ内比較明合成(約38分間の光跡)

 3/30の深夜(正確には 3/31 午前2時過ぎ)に撮影しました。この頃、この撮影地では 7分咲き、木によっては2~3分咲きという頃合いでした。以降の夜は曇りや雨予報でしたので、少々花が少な目でも、近所で星の光跡と共に撮れるチャンスはこの晩のみと腹を据え、平日ながらも撮影にトライしました。(仮眠を取ってから出かけ、翌日はちゃんと普通に出勤しましたよ~)
 インターバル合成機能は、隙間なく連続撮影している画像を"比較明"と呼ばれる手法で、カメラ内部で重ねてゆき、1枚の写真として記録します。上記作例の場合 約38分間の撮影を行っているのですが、この間、余程の好条件でもない限り風に枝が揺さぶられることとなります。これにより、少々花が少な目な枝も、明るい花びらの動きが画面に残り、満開のように写ります。満開をすぎて少し葉が見え始めた頃でも同様に、暗い葉はあまり目立たず明るい花びらの動きが画面に残り、満開のように写ります。
 ご自分が一番良い咲き方と思われるタイミングは一晩程度しかなく、そのタイミングと晴れた夜空が重なるのは難しいのですが、上記のように考えると、一週間程度は桜と星の光跡を共に撮れるチャンスがあると考えても良いのではないでしょうか。

[インターバル合成機能とノイズリダクションの設定]
 ところで、今回の作例「インターバル合成機能で撮影した画像にしては、画面全体の色味がよく出ているな?」などと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 インターバル合成機能では、ノイズリダクションを有効(AUTO or MANUAL)として撮影すると、星の光跡に出やすい色モアレを低減するために、一般撮影の時より強めに色モアレを低減させる処理が働きます。色モアレを低減する画像処理が強く働きすぎると星の光跡以外にも影響が及びますので、そのような画像を見慣れた方々が、上記のような感想をお持ちになるのかと思います。
 これまで、こちらの記事のような機会では、初心者の方々にターゲットに絞り、ノイズリダクションを有効(AUTO or MANUAL)とする案内をしてきたのですが、今回は、ノイズリダクションをOFFとして「星の光跡の色モアレを低減しながら、画面全体や星の色を綺麗に出すテクニック」を紹介しておきます。ただし、被写体の条件が一致しないと使えない手法となりますのでご注意ください。(今回に限らず、私がインターバル合成機能で撮影した作例の殆どは、この手法を用いて色を出しています)

■被写体の条件
 星空の前景となる建物等が近くにあることが条件となります。「近く」の目安としては5~15m程度がベストです。15~30mでもなんとかなります。「遠景と星の光跡」では使えないテクニックとなります。

■テクニック
 まず、ノイズリダクションの設定はOFFとし画面全体の色を綺麗に出す設定とします。
 絞りは開放(F2.8)として、MFを用い、前景を優先したピント位置とします。
 星のピントがやや甘くなるよう撮影することで、星の光跡に偽色が出ることを低減する方法です。前景の距離とMFの時に画面左側に表示されるピント位置の目安は以下となります。

MF_setting_550.gif

 MF操作では、無限位置を基準として、そっとアップダウンダイヤル(グリップ上にあるダイヤル)をまわし、クリック感(音は出ませんが「カチッ」という引っかかり感と共にダイヤルが安定する位置)の数でフォーカス位置を定めると良いと思います。

 この手法は、私が講師を務めさせて頂いているCP+のワークショップでも解説していました。以下に公式動画が公開されております。この動画の 35:36~42:20 あたりの説明も参考にして頂けると幸いです。

 前景距離の見極めに慣れが必要でMF操作が繊細ですので、かなり難しいと感じるとは思うのですが、是非とも皆様にチャレンジして頂きたいです。試行錯誤しながらトライして頂ければと思います。

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山本さん、ありがとうございました!
今回はかなり高度な技術を伝授されたような気がします。
まだまだ咲いている桜の木もあるし、雲のない夜にがんばってみよう。

それではまた!

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